2016夏 福島っこ元気村キャンプ報告
~ 10回目の記念キャンプ! ~
私たちの元気村キャンプも、丸5年、記念の10回目のキャンプを迎えることになりました。
ここまで続けてこられたのは、多くの人の協力、理解、熱意、努力があってこそです。
まずはこの5年にこのキャンプに関わってくださったすべてのみなさんにお礼申し上げます。
大変ありがとうございました。
さてこの夏はどのようなキャンプだったのか?お伝えさせていただきます。
最後のキャンプ?
2012年の春に始まった元気村キャンプ。始めた時に「最低でも5年は続ける!」という目標のもとにやってきました。何気なく発したこの5年という期間が運営する私たち、参加する子供たち、保護者のみなさんにとって、ちょうどよい数字であったのではないかと思います。長すぎもせず、短すぎもしない目標として。結果論なのですけれども。
夏のキャンプの準備が始まった5月の段階で、6年目に突入することは決めていました。理由は、これまでキャンプに参加した子供たちに対して、「今回が最後のキャンプではないから、無理して参加する必要はないよ。」というメッセージを発したかったこと。それとこのキャンプの存続を願ってくださっている方々、応援してくださる方、福島に対して、「大丈夫。続けます。」と、さらりとお伝えしたかった。あまり勿体つけるようなことはしたくありませんでした。
ということで、10回目は「記念キャンプ!」として企画がスタートしました!
奇跡のような確立で
じゃあ記念になにしようか?となったわけです。最後のキャンプなら、これまでを振り返ったりとか、「あの人は今?」というようなことでもやろうかなと思っていたのですが、それもなんだか違う。
実は密かに期待していたことがありました。それは、個人的な結びつきのあるJリーグのチームの試合がもし僕らのキャンプの期間、夏なら7月末、春なら3月末に、福島のチームと試合が組まれないかな?と。もしキャンプ中に福島との試合があれば、キャンプの子供たちを連れてきて、みんなで応援したい!と思っていました。
ただ試合は年間30試合あり、その期間にこちらのホーム開催試合の福島戦が行われる確立は30分の1です。だから最初に「7月31日(日) SC相模原 vs 福島ユナイテッドFC」の日程を見たときは、本当に驚きました。
こんな事、滅多に起きることではないから、これを10回目の記念プログラムにできるようお願いしよう!となったわけです。
やっぱり24人で!がんばります!
私たちのキャンプの募集は、まずこれまで参加したご家族に連絡をして、残った枠を一般募集してきました。こうした方法で、子供たち、ご家庭との付き合いを深めてきました。
でも夏は、春に比べて、応募が少ない傾向があります。子供たちの行事が夏は多いのです。昨年はそのため元気村始まって以来最小の16人の子供たちでキャンプを行いました。子供の数が少ないと、食事も、移動も、何もかも手間が減ります。あまり参加人数が少なすぎるのもどうかな?と思ったのですが、一人ひとりの子供とゆっくり向き合うことができたキャンプでした。
春のキャンプは大勢参加するだろうから、夏は少しラクをすることで、キャンプスタッフの負担を減らそうかと考えていたのですが、スタッフからは24人募集しましょうという答えが返ってきました。
そう言われたらもう覚悟せざるをえません。じゃあ、早めにみんなに募集をかけて、一般募集の時期を早めよう!となったのです。
変わりゆく元気村。ガールズキャンプ?
いつも一般募集はこのホームページで行っています。今回はリピーターの子供が8名、そのお友達が3人でした。なので13人を新たに募集しました。いつもこのホームページで募集しています。
ほよ~ん相談会
http://hoyou.isshin.cc/
毎回のことですが、一般募集をかけて即日のうちに、何件か申し込みが入ります。今回も募集を開始した当日に5名の参加が決まりました。その後もぽつぽつと申し込みが入り、およそ2週間で13名の参加と、5名のキャンセル待ちの状況となりました。
これまで元気村キャンプは、一般募集のタイミングが遅かったのでわからなかったのですが、一ヶ月前に募集を始めるとこんなに申し込みがくるのだということがわかりました。
もうひとつ驚いたのが、申し込みがほとんど女の子だということ。男の子はお姉ちゃんと参加する子が3人。男の子だけの参加は1人だけ。あとの20人は全部女の子。
結果・・・
リピーターのお子さん 8名
初めて参加のお子さん 16名
男女 4:20
といった状況になりました。
これだけ初めて参加する子供の割合が多い元気村は久しぶりです。また女の子が圧倒的に多い結果になりました。
さてどうしたものか?
女の子特有なこと
これまでもあったことですが、女の子は、男の子とちょっと違います。同じ子供ではあっても、揉め事の質といいますか。
男の子の揉め事はパッと火がついて、燃え上がったと思ったら、次の瞬間には消えているような事が多いです。簡単に火がつく代わりに、消えやすく、燃えていることが一目でわかります。やり方へのこだわりとか、所有意識の強さが原因であることが多いように感じます。
女の子の場合は、だいたいこの逆の事が多いです。何が起きているのか表面上わかりづらく、気づいた時には燃え広がっていたというような。原因のほとんどは人間関係。お友達とのこと。自分と一緒にキャンプにきた友達が、自分とは別の友達と仲良くしていることだったり、ちょっとした意見の隔たりだったり。
どちらもキャンプ期間中に何度も起きては消える問題なのですが、女の子の方がきちんと見ていないと何か起きていることに気づけないという点において、注意深いケアが必要です。
こういう時に頼りになるが女性スタッフです。健康面のケアも、女性でないと難しいこともたくさんあるのですが、キャンプスタッフの女性の多くは調理に関わることが多く、またある程度の期間キャンプに参加して子供たちと関われる人となると、まして人数が足りません。春は大学生が参加しやすいのですが、夏のこの時期は試験だったり、就職活動があったりと忙しい。何か考えないと・・・
リピーターのみんな!お世話を焼いてください!
そこで考えたのがこれです。リピーターの子供たち、初めて参加する子供たちが、相互にやり取り(=コミュニケーション)が発生するようにしました。キャンプ参加前、キャンプ初日のオリエンテーションでも、いつも来ているリピーターの子供たちが、初めてきた子供たちに、生活のこと、施設の使い方や、キャンプのルールを教えてあげてください。という風にお願いしました。
またキャンプ中の子供たちの班も、初日の子供たちの様子をみて決めよう!ということにしました。
いつも事前の想定で、年齢や、小学校、友達かどうかで、班を決めていましたが、そうではなく、子供たちの様子をみてから決めることにしました。初日に着いてカレー作りをみんなでやったのですが、これは子供たちの間でやりとりが行われるように仕向け、そのやり取りをみて班を決めるといった別の趣旨がありました。もちろん、カレーは美味しいから作るのですけれど!
ちなみに班は、男の子4人で1つの班。女の子は全部で4つの班。2つは子供たちの様子で、もう2つは子供たちの年齢で決めました。バスの移動中から、カレーづくりまでの様子で、仲のよい友達と一緒になった班は大喜び。年齢構成で決まった班はなんだか不満げです。さてこれがどうなるのでしょうか?
全体のプログラム構成は? 集中と休息
これまで10回もキャンプをすればわかることがあります。まず夏は暑くて、春より疲れやすいこと。それと体を動かして思いっきり遊ぶ日と、休む日。食事と、お風呂と、睡眠のバランスで一週間が元気で、楽しく遊べるか。つまらなく、疲れてしまうかが決まります。
今回は2日目、4日目、6日目を野外活動の日とし、3日目と、5日目は宿泊施設内を中心としたプログラムの日としました。
ところが・・・
微妙だった天候。確かだったスタッフ。
いつも想定していることですが、雨が降った場合にどうするか。特に夏はいつも水遊びをメインにしています。川で遊ぶために、天候による増水などには特に気を使います。
今回は2日目が朝から曇り空で、気温が上がりませんでした。その上、翌日の天気予報が晴れであったため、急遽、2日目と3日目のプログラムを入れ替えました。
キャンプ2日目ブログ
キャンプ3日目ブログ
そこで助かるのがボランティアスタッフのみなさんです。
実は2日目は少しスタッフが疲れていました。キャンプが始まったばかりでしたが、初日のスタッフが少なかったこともあって。そんな中、率先して子供たちと遊んだり、調理の手伝いをしてくれてとても助かりました。
また3日目は、本来水に入る予定のない人たちに、急遽、川遊びの準備をしてきてもらいました。それだけでなく、食事も急遽食材を別のメニューに変えるなどの対応をしてもらいました。
また予定の空いた2日目は「つむ木」をしました。
これ、昨年の夏も、この間の春もお借りしたものです。とても手間をかけて届けてくださいます。
株式会社ささき つむ木
http://www.sasaki-reform.co.jp/zakka/tsumuki.html
昨年夏の様子
おかげで予定の空いた2日目を退屈することなくすごすことができました。
また本当は3日目にゆっくりと行うはずであった音楽ですが、川遊びに変わってしまったため、時間がなくなってしましました。そうした中、限られた時間で、臨機応援に準備してきた楽器づくりや、音楽を行っていただきました。
『子供たちを夏空の下、目一杯川遊びをさせてあげたい。』
文章にするとちょっとした変更に見えますが、その裏側には、たくさんの人たちの理解と協力があって成り立っています。
おかげでとても楽しい川遊びができました。子供たちの感想にも、川遊びのことがたくさん書いてあります。
子どもたちの感想
そのほかにも水風船を膨らまして投げたり、ホースで水を掛け合ったり。大人も、子供も、きゃっきゃ騒ぎながら遊びました。あーあ、夏は本当に水遊びが楽しい!
5周年記念イベント
さあ、今回のキャンプはこのことに触れねばなりません。お伝えしたとおり元気村キャンプの記念イベントです。これまでこのキャンプをずっと応援してくれた私の大学時代の友人、下條くんの存在がここにあります。これまでは大家さんとして、AOA「行動する大家さんの会」の代表として、このキャンプを影で支えてくれました。このキャンプを支援してくださる方には大家さんがたくさんいらっしゃいます。そのうち多くの方は、彼の存在があって私たちのキャンプを知る機会があり、応援してくださっています。
いま彼は神奈川県相模原市のJリーグサッカークラブ、SC相模原でクラブスタッフを務めています。そうした縁があって、今度はJリーグチームのスタッフとしてこのキャンプを応援してくれています。
私たちにとってとても幸運なことに、Jリーグは東日本大震災復興支援活動として「TEAM AS ONE」というチャリティー活動を行っています。Jリーグ53クラブ、選手、サポーターの募金活動などを中心とした支援です。
TEAM AS ONE
http://www.jleague.jp/aboutj/teamasone/
今回の私たちの記念イベントはこのTEAM AS ONEの支援を受けることで実現しました。数奇な縁と、奇跡のような確立のもとに。
ただちょっと気になるのは、参加する子供たちのほとんどが女の子だということ。「女の子はサッカーを観るより、スタジアムでの服装を気にするのでは?」という話になり、本当は観戦前日の夜まで内緒にして、びっくりさせようと思っていましたが、事前に各家庭に伝えることにしました。
SC相模原
2008年にクラブが発足して、史上最速でJリーグまで駆け上がりました。72万人の都市、神奈川県相模原市にあり、J3リーグからひとつ上のカテゴリー、J2へ、優勝へ向けて戦っています。
SC相模原
http://www.scsagamihara.com/
クラブは、相模原市と友好都市であり、東日本大震災の被災地である大船渡市を訪問するなどの地域活動に熱心に取り組んでいます。
ホームタウン活動
http://www.scsagamihara.com/hometown/
熊本・大分へ募金を!
試合当日、スタジアムで募金活動を行いました。でもこの事、事前に子供たちには話してありません。どうして福島の子供たちが熊本・大分地震の被災地に向けて募金を行うのか?きちんと動機付けを行おうと考えました。
それはこうです。
「今回、僕らはJリーグの、サッカーのサポーターの人たちのおかげで、試合に招待してもらうことができた。そこで僕らも何かしたい。みんなも知っているとおり、この間、熊本・大分で大きな地震があった。Jリーグの試合では、被災地に向けて募金をしている。だから僕らはこれを手伝おうと思うのだけど、どうかな?」
「いいよ!」「やってみたい!」と、すぐにこたえがかえってきました。
ただこの時、子供たちのことを侮っていました。見知らぬ人が大勢いるスタジアムで、小学生のこの子たちが、大きな声をだして積極的に募金活動をする姿がイメージできなかったのです。だから、選手や、ユースの中学生の子供たちにリードしてもらえればいいかなと考えていました。ところがこれが大きな間違いでした。
募金の準備は毎晩食後に!
何の考えも、準備もなくやるより、考えて、準備して、真剣に取り組んだほうが楽しい。この募金も班ごとに、何を用意して、どういうメッセージで募金活動をするか、子供たちに考えてもらいました。スタジアムは広くて、たくさん人がいるから、文字は大きくとか、がんばれって熊本弁でなんていうのか?とか、子供たちになりに考えて。
あるのは段ボール箱や、A3とA4の用紙に、ペンや、テープとかそういったものです。手作り感いっぱい!
何を、どうやるか、班ごとに発表して、募金にのぞみました。
試合当日 ~スタジアム見学、練習見学、試合観戦、募金活動!~
当日の詳しい様子はこちらをご覧ください。その日に書いたこの文章の方が当日の様子を表していると思います。
キャンプ4日目ブログ
これまで5年キャンプを続けてきて、絶対に忘れない瞬間というのがいくつかありますが、この日のこともそのひとつになりました。
スタジアムに到着すると赤いユニフォームをきた福島ユナイテッドFCのサポーターの方々が列を作っていました。その列へ「この子達、福島の子供たちなんです。」と声をかけると、「福島のどこ?」と帰ってきました。
こうしたやり取りの間、子供たちが持っていた募金箱をみて、福島サポーターの方々が募金をしてくれました。この事が子供たちを大いに勇気づけ、「お願いをすると応えてもらえる!」ということが楽しくなったのだと思います。
「もう募金を集めていいのか?」「いつになったら募金をしていいのか?」 子供たちは待ちきれないといった様子でした。
それにしても蒸し暑い日です。その暑さの中、声を出し続ける子供たち。小雨も振り、雨宿りをする人たちを横目に、ずっと声を張り上げていました。
この光景を目の前で見続けているうちに、ふとこみ上げてくるものがありました。ああ、なんて一生懸命なんだろう。募金が、そのことがどういう意味を持つのか、低学年の小さい子もいる中、みんなが頭で理解していたとは思いません。
それでも何かを感じていたのだと思います。これは自分たちのためではないこと。困っている誰かのためだということ。声をあげると、応えてくれる人がいるということ。そのことはみんなが感じていたと思います。
楽しくも、暑く、疲れても、なにか手ごたえや、充実感のあるような、彼らにとってはそうしたものだったと理解しています。
子供たちの、福島っこの一途さを、まざまざとみせつけられた瞬間でした。
ああ、下手なことはいえない。たいした考えもなく発した一言がどういう影響を彼らに与えるか。言葉を選んで話そう。そうした気分にさせられる、子供たちの心根というか、そうしたものを甘く見てはいけないと痛感させられる出来事でした。
募金の結果!
正味30~40分ぐらいの募金の時間に集まった金額は7万円強。果たしてトップチームの選手が呼びかけてもこれほど集まったかどうか。
この事はSC相模原のスポンサー企業のブログでも紹介されました。
株式会社ギオン やっぱり試合より雰囲気を伝えたい!~SC相模原観戦記~
http://www.kk-gion.co.jp/blog/scsagamiharakansenki02/
この事の本当の価値はその金額にはありません。募金に参加した子供たちの体験として刻まれますが、そのことだけでもありません。
真剣に物事に取り組むということ。そのことが自分の、自分たちの未来を切り拓くということです。
この日の彼らの行動によって、どこで、何が拓かれたのか、それはまだわかりません。ただ間違いなく彼らの姿に打たれた人々、その人たちが、彼らを、福島っこをどう思ったでしょうか。
その感情や、意識、捉え方といったようなものが自らの状況をかえてゆきます。その変化はいつかわかる日がくるでしょう。いまはその日を楽しみに待ちましょう。
※余談※ 4日目のブログの動画ですが、途中であることがおきます。それは子供たちの横で一緒に募金をしていたSC相模原のユースの子が、彼らの声に何かを感じたのか、自分の財布からお金を取り出して募金箱にいれます。動画ではその場の雰囲気のすべてまでが伝わらないのですが、こうした気分にさせる力がありました。
奇跡は続くよ、楽しい水遊び!いつもありがとう!ひだまりファーム!
そして今回もやってきました。ひだまりファーム。今回は6日目に利用させていただきました。ファームには、飛び込んだり、流れたりできる川から、広場、畑、BBQ場、古民家といったものがあります。動植物も豊か。何日でも遊べる場所です。
ただこの日は天候が不安定で、雨がふるのか、降らないのか、非常に微妙な天気でした。
キャンプ6日目ブログ
本当になぜ雨に降られなかったのか?不思議です。武家屋敷に帰ると、雨が降った後が。ゲリラ豪雨だったようです。僕らの周りだけ降らなかった。そう信じたくなるような天気でした。
おかげで無事に最後の水遊びも、用意した流しソーメンも、BBQも無事に終えることができました。あれだけ真剣に取り組んだことへのちょっとした神様からの贈り物だったかもしれません。そういうことにしておきましょう。
みんなで協力できたこと「食事とお風呂」
この夏も、日の出太陽の家ボランティアセンターの武家屋敷を特別な便宜を図って頂き、利用させていただきました。武家屋敷に宿泊するときは、いつも、併設する太陽の家のお風呂を利用させていただいています。
ところがこの夏は女の子が多い。それも圧倒的に。ただでさえ女の子の方がお風呂に時間がかかるのに、18:00-20:00までの時間に20人の女の子がお風呂に入らなければなりません。
そのため食事を17:15分から食べ初めて、なるべく早くお風呂にいけるよう、みんなが早く準備して片付けられるよう取り組みました。
日の出太陽の家ボランティアセンター
http://www.taiyonoie.org/publics/index/23/
太陽の家「社会福祉法人 太陽福祉協会」
http://www.taiyonoie.org/
普段の感覚なら17時から夕飯なんて、早すぎておなかも減っていないと思うのですが、それがキャンプの不思議なところ。毎朝早起きして、体を動かしていると、不思議とその時間にご飯が食べられます。
この事はありのままに子供たちにも話をして協力してもらいました。みんなで協力すればなんとかなるものなのです。
人との出会いを大切に。新しい出会いの喜び
元気村キャンプでは人との出会いを、みんなで生活することを大切にしたいと考えています。
子供たちはいつも一緒ですが、スタッフは一週間いる人もいれば、一日だけ。一度帰ってから、また参加する人もいます。毎日出会いと別れが繰りかえされるわけですから、きちんと挨拶をするようにしています。今回もやりましたよ。これ。
元気村名物 おみおくりアーチ
村に入るとき、出てゆくときに挨拶する機会を設けています。(・・・といいつつも、今回は2回、みんなの挨拶する場を作るのを忘れてしましました。次回は忘れないようにがんばります!)
それとなんといっても今回は16名の新しい子供たちと出会うことができたこと。キャンプが始まる前は、学年、性別、名前から、どんな子かな?とか想像するだけですが、キャンプが始まれば、名前も、顔も、なんとなく性格もわかってくるし、そうした子供たちの特徴を知り、子供ならではのやりとりというか、本当にひとつひとつはとても日常的で、他愛もなく、くだらない、意味のないことなのですけれども、そうしたものの積み上げが人と人の豊かさであり、キャンプの楽しさであり、子供と関わっていくことの喜びです。
この子達とまたいつ会えるのか、何も約束はされていませんが、それでも次の、いつかのキャンプでまた会いたいと思います。そのときはどんな風に大きくなっているか。何がかわって、できるようになっているのか。そのことにいつも驚かされます。人が成長すること。それをまざまざと見せつけられることの喜び。
なにもいいことばかりがおきる一週間ではありません。ただ、そうした一週間のなかに笑顔と喜びがあり、予想もしないようなすばらしい出来事がまっていたりするので、キャンプが今日まで続いてきたのだと思います。
そうした新たな喜びの種が16も増えたキャンプでもありました。
終わってみれば・・・ とても難しい見極め
最初に予想したように、女の子なりの揉め事もありましたし、暑さで疲れたりもしましたがよい思い出でとして終えることができました。
一週間のキャンプというのは子供たちにとって、とても長いと思います。私も子供時分によく子供だけで参加するキャンプにいきましたが、長くても3泊とか。それも中学生になってからでした。
こんな小さなときからこうした経験を積む彼ら。どういった人間性が形成されていくのか、私にはわかりません。私の経験の外のできごとです。だたそれは間違いなくプラスに働くことと思います。
課題もあります。
こうした長いキャンプの間、友達と関係を築き、キャンプを楽しく過ごせるかどうか。それがうまくできないときにどうするか。キャンプとして取り組むべき点です。
ただ同時に、このキャンプで面白くない思いをして、この場になじめなかったとしても、彼らにはその先があります。
これまでキャンプで友達となじめずに、大人と一緒にいる時間の方が長い子供もいました。僕らも心配したり、ケアしたり、いろいろ気を揉みましたが、気づくとキャンプの常連になっていて、これまで仲良くできなかった子と楽しそうに遊んでいたりもします。
ここにキャンプの、子供と関わる難しさ、面白さ、奥深さがあります。
このキャンプだけとってみれば、もちろん楽しく過ごせたほうがいい。けれども、楽しく過ごせないというのは、その環境と本人との相互関係でおきることです。本人が何かを感じ、理解し、変えてゆくことで子供自体が変わります。何かを変えてみてうまくいったり、いかなかったり。対応力とでもいいますか。そしてどの子が、いつ、どのように変わるのか私たちにはまったくわかりません。ただいえることは、そうした試すことのできる機会がどの子供にも必要であると思います。
今回もリピーターの子供たちのやり取りをみていてそう感じることがありました。人は変わるし、誰もそれを予期できないのです。
冒頭にお伝えした班決めですが、結果、みんな上手にやっていました。
最初は仲のよい友達どうして食べていたご飯も、気づくと班ごとだったりします。生活してゆくうちにだんだんとなじんでゆきます。そしてなじんだ頃にはキャンプが終わるのです。
そう。だから難しい。何か課題を抱えた子供のすべてをケアするわけでも、すべてを放置してしまうのがよいわけでもなく、短期・長期的の二つの点からその子の置かれた状況を考えて、どこまで大人が手を差し伸べるのがよいか。この見極めの難しさ。
保養キャンプであろうが、なんであろうが、子供を預かる以上、こうした子供との距離感、子供への、子供同士への介入の仕方はいつも考えさせられるし、考えなければいけないと思います。なるべく本人が、本人たちが自主的に対応してゆくことを見守りたいのですが。
子供たち待望の「肝試し」
これも触れておきましょうか。前回の夏に初めてやったのですが、過呼吸気味になる子が現れたためこの夏は用意していませんでした。ところが「夏といえば肝試しでしょ!」といわんばかりに、行きのバスのなかから肝試しをやってくれといいだしました。
まあそんなこといって、本当に怖い話を用意すると、泣いて叫ぶのは君たちなんだよ?と思いながら日数が経っていくと、何日目かに子供たちから嘆願書?が。
あまり怖がらせてもいけないので、まあソフトにやろうということになりました。いかにも作り話っぽいのを用意して、時間も短くすれば怖くないでしょと。
話はこうです。
「昔この武家屋敷にサッカー選手が泊まっていたのだけど、病気でなくなってしまって成仏できないでいます。みんなが肝試しにいっても、取り付かれないように、ハッピー(ボランティアスタッフ・お坊さんの卵)がお経を唱えてくれます。大丈夫だから、裏までいって、SC相模原からもらったバッジをひとりひとつ取ってきてください。」
こんな感じです。案の定、怖くなかったようで、もっと怖くしてくれとの声があがりました。
ところが翌日。
「昨日の話だけど、なくなったサッカー選手って誰?」
6年生の女の子が聞いてきました。嗚呼、これが子供か。福島っこか。どこまで真っ直ぐなんだ・・・
認識はさらに改めないといけないようです(笑)
数値的な報告 今回もありがとうございます!
さて前回に続き、今回も過去最高のスタッフ数の記録を更新しました!スタッフは54名、述べで134人/日です。
以下、キャンプネームで紹介させていただきます。
おかわりさん・のぐさん・のん太ママ・せんちゃん・くどぅ・がっきー・はっしー・金綱さん・ヴィヴィアンさん・ビューティーさん・大谷さん・萩原さん・高橋さん・ドマちゃん・キリさん・うらら・こうちゃん・ゆうくん・ハッピー・こばりん・かじゃ・こうへい・あゆ・よしこさん・デニー・かめさん・武田さん・かおるさん・ちあきさん・トットリー・あさのさん・ようへい・あらいちゃん・かなこ・ニック・トッティー・なえちゃん・きんちゃん・もぎもぎ・ぶちこ・ぶっちー・ふじちゃん・宇宙人・原田さん・オッシー・ぼーちゃん・ゆりりん・りょうちゃん・コウキ・ダイジュ・ヤマミチ・れいさん・K子・ぴろさん
今回から初めて参加してくださった方も沢山います。こうした人々の支えで運営されているのが私たちのキャンプです。
支援のご紹介
寄付・物資
この夏は12名の方から112,000円のご寄付を頂きました。
また物資ですが・・・
Amazonからの食材寄付 91,965円
Amazonからの物資寄付 15,357円
お名前掲載の許可を頂いていないため、イニシャルでご紹介させていただきます。
(毎回お名前でご紹介したいと思っているのですが、私たちの手が足りずなかなか実現できておらず申し訳ありません)
H.M.
N.I.
T.O.
S.S.
M.F.
S.I.
T.F.
K.H.
M.T.
R.K.
K.I.
K.T.
A.N.
M.K.
N.N.
F.I.
A.K.
N.Y.
T.T.
S.A.
R.S.
K.H.
K.H.
T.A.
Y.T.
M.S.
S.M.
N.N.
T.S.
M.U.
A.S.
Y.H.
S.K.
様々なご協力のご紹介
施 設/NPO法人日の出太陽の家ボランティアセンター
施 設/生活クラブ東京
演 奏/ぷりずむくぷれDuo http://purizumu2.blog.so-net.ne.jp/
つむ木/株式会社ささき http://www.sasaki-reform.co.jp/zakka/tsumuki.html
つむ木/花咲き整備隊 伊藤仁一様 https://sites.google.com/site/hanasakiyamareborn/home
果物/観音山フルーツガーデン http://www.kannonyama.com/
調味料/竹田商店 http://www.ktakeshow.co.jp/
お菓子/和菓子処まちだ http://machida-kashi.com/
お米/松栄米穀
生活用品/株式会社サラヤ http://www.saraya.com/
サッカー観戦ご招待/株式会社スポーツクラブ相模原 http://www.scsagamihara.com/
最後に
本当に10回目の今回も多くの方に支えられて無事に終えることができました。一週間という長いキャンプを10回も続けてこられた事は、多くの方の理解、応援があってなしえたことです。
これまで報告書では、「大変だ!」とか「楽しかった!」とか、そのようなことがたくさん書かれていますが、その大変を乗り越えてこられたのはそうした理解と応援であり、たくさんの楽しかったをお伝えするのはそれを示してくださるみなさんへ幾ばくかのお返しです。
この報告書が、体感に勝るとは到底思えませんが、すこしでもこのキャンプを近くに感じていただければ本望です。
このたびもご理解と応援。誠にありがとうございました。