~ 新たな出会い、新たな取り組み ~DSC_0368

 

報告書の目的
この活動でおきている事を、ありのままにお伝えします。結果だけではなく、経緯や、その背景、心情などをお伝えすることで、震災支援や福島との関わりが、今日、どういう状況にあるのか感じて頂ければと思います。その事で私たちのキャンプへの、福島への、被災地への関心が保たれれば嬉しく思います。

 

久しぶりのボーイズキャンプ!半分が初参加の子どもたち!
DSC_0475この夏の福島っこは男の子が12人、女の子が6人と久々に男の子の人数が女の子を上回るキャンプとなりました。昨年、参加者の状況を統計としてまとめましたが、直近5回のキャンプは女の子が男の子を上回り、昨年夏のキャンプは24人の参加者の内、なんと20名が女の子。このままずっと女の子の割合が増えるのかな?と思っていたところに突然のボーイズキャンプ状態。次はまたどうなるかわかりませんが、たまたまだったのかもしれませんね。

なおこの18人の内、半分の9名が初参加の子どもたち。さらに、小学校3年生以下の低学年の子が5名含まれています。ここに東京から4名のスタッフのお子さん、男の子2人、女の子2人が参加して、総勢22名でのキャンプとなりました。

年齢構成
中学
3年生 1人
1年生 1人

小学
6年生 2人
5年生 11人
4年生 2人
3年生 1人
2年生 2人
1年生 2人

いつも4、5年生の参加が多いのですが、今回は特に5年生が多かったです。

参考:数字からみる福島っこ元気村キャンプ
http://genkimura.letsgoout.jp/2016/12/18/14929/

 

春キャンプと夏キャンプの傾向。出会いの夏、卒業の春。
今回で12回目の元気村キャンプとなりましたが、春と夏の傾向が回数を重ねるごとにはっきりとしてきました。

夏は子どもたち、特に部活のある中学生は時間的制約があり、参加しづらい傾向にあります。それに比べて春は、離任式や、中学校の事前説明会などと日程になるべく重ならないようにすることで、子どもたちが参加しやすい状況です。加えて小学校、中学校を卒業する子どもたちは、元気村での卒業祝いを楽しみにしているようで、6年生と中学3年生の子どもたちがたくさんやってきます。

簡単にいうと、出会いの夏、卒業の春・・・ といったところでしょうか。

夏に参加した子どもたちがまた春にやってきて、中学になると卒業して、また新しい子たちが夏に参加・・・ といった流れを繰り返しています。

 

いわきから初参加!
これ、以前の報告書でお伝えしたことなのですが、実は浜通りのいわき市からは私たちのような保養目的のボランティアキャンプには参加しづらい傾向があります。参加者の多くは中通り、特に福島市と郡山市が中心で、その近隣の市町村からの参加者です。すると送迎バスの移動は自然と東北道沿いになるのです。

いわき市からの参加のニーズは以前から感じていました。過去に何度か問い合わせがあったのですが、送迎の日程が平日だと難しく、断念してきました。今回は宿泊する武家屋敷の都合もあって、送迎が土日です。これによって12回目で初めて浜通りからの子どもを元気村に迎え入れることができました。

参考:どうしていわきの送迎が難しいのか?

2015夏 福島っこ元気村キャンプ報告  ~ 未来への選択肢 ~

 

とにかく雨に祟られたけれど・・・
本当、この夏はこれにつきます。夏キャンプはなんといっても水遊びが最高に楽しく、この西多摩に子どもたちを招いたら、それは水がきれいな秋川渓谷でおもいっきり遊ばせてあげたい!となるわけです。この夏も2回の川遊びを予定していました。

ところがこの7月は台風が8個も発生。九州北部、秋田、新潟で豪雨。多くの被害が日本列島を襲いました。ひと月で8個は過去最高タイ記録とのこと。なにも僕らのキャンプの時にこなくても。結局キャンプ7日の内、6日はパッとしない天気。神様、ああ無情・・・ と思ってたのですが・・・

 

捨てる神あれば、拾う神あり?
DSC_0774キャンプ2日目、この日は西多摩ご自慢の秋川渓谷で川遊びでしたが、前日の雨で増水してしまったため、やむなく中止にしました。翌日の天気予報も思わしくなく、また平日に子どもたちを送迎してくれるだけのスタッフを集めるには事前の調整が必要です。そのため、子どもたちが外出できるだけの送迎スタッフがいる日はキャンプ2日目と4日目だけです。

なんとかこの日を子どもたちと楽しく過ごしたい。このピンチを救っていただいたのが、地元あきる野市の五日市クラブの金綱さんです。

福島っこのために、プールや、体育館のある運動施設を予約して使えるようにしていただきました。通常、この体育館を今回の利用内容で予約することはできないのですが、総合型地域クラブの五日市クラブであること、その利用が福島の子どもたちであることで利用させていただくことができました。水遊びをして、体を動かし発散することができてとても助かりました。

 

DSC_0143また別の日にはこの遊具です。元気村になじみのある方はご存知「つむ木」

こちらの遊具は株式会社ささきの佐々木会長が考案した間伐材を利用した積み木なのですが、場所が東京の東側にあり、宿泊施設のある西多摩までは車で2時間程の距離があります。これを武家屋敷の裏山の森林を整備している花咲き山整備隊の伊藤さんが受け取ってきて、届けてくださいました。

今回のように雨に祟られるキャンプでは室内で、みんなで遊べるものがあると、全員で集中して取り組む時間をつくることができます。自由時間と全体プログラム。1日の生活にメリハリがつきます。ただみんなで遊べるといっただけでなく、そうした点においてもつむ木はありがたい存在なのです。

このように、人によくして頂くことで、私たちのキャンプは成り立ち、子どもたちとよい時間を過ごすことができています。

 

学生スタッフのがんばり。いろんな取り組み。
この間の春のキャンプから元気村に参加するようになった、大学4年生のよっちゃん。彼の参加によっていくつかの取り組みが始まりました。

その1 紹介ボード
DSC_0697以前からボランティアスタッフの間ででていた話です。運営スタッフと違って、1~2日と短い期間でキャンプに参加することの多いボランティアスタッフにとって、子どもたちの顔と名前を覚えるのが難しい。なんとかならないか?ということで導入されました。

キャンプ初日のオリエンテーションの時にチェキで顔写真をとって、名前や学年と一緒に張り出します。元気村5つの約束にあるように、どうにか子どもの名前を覚えて、名前で呼べるようにするために始まりました。ちなみにこのチェキはボランティアスタッフ、カメラのやまや店主の浅野さんから特別価格で購入させていただきました。

その2 ラジオ体操
DSC_0511これ、便秘対策として導入されました。1週間、なれない場所で生活するため、大人でも便秘になりやすい。特にはじめての子どもにとっては自分の体調のことを回りの人に言い出せないかもしれない。食べているか、いないかは食事を見ればわかるのですが、出ていないかどうかは自己申告で、わかりづらいのです。運動で腸を刺激して・・・といった目的です。

過去には具合が悪くなった子を病院につれいったら便秘だったとか、1週間ほとんどうんちをしていなかった事が自宅に帰ってからわかったりとか、いたってまじめな健康管理です。

その3 ブログの写真
キャンプの1週間の間、写真記録の専門のスタッフを用意することは結構難しいのです。それより必須の役割がたくさんあるため、それらと兼任になったりします。

今回のキャンプ、保護者の方たちのブログ写真への評判がよかったです。「子どもたちがよく笑っている!」といった感じでした。どのキャンプでも子どもたちは笑っているのですが、その瞬間を収めるには遠目から子どもたちに気づかれないようにしたり、何枚も写真をとったりと、それなりに労力が必要です。

この夏のキャンプの写真、子どもも、大人もいい表情の写真が多いと思います。彼が1週間記録係を努めることでみなさんに子どもたちの笑顔を届けることができています。何気ないことのようですが、元気村キャンプにとって、子どもたちの笑顔を親御さんに届けることは、私たちが約束していることでもある大切なことなのです。

DSC_0581

DSC_0708

DSC_0506-2

DSC_0540

 

こうして一人のスタッフが加わることによって、キャンプでいろんなことが実現します。これまでキャンプを支えてきた学生スタッフのコウキとダイジュも就職や、就活でこれまでのように時間を確保するのが難しい状況になってきました。これは僕らの知らないところでの話しですが、「あまり参加できなくなった僕らにかわってキャンプを支えてほしい。」といった引継ぎ?のようなことがあったようです。キャンプをきちんと思っていてくれていることがよく伝わります。

このキャンプを始めた当初、私たちが全く期待していなかったことが次々に起こります。こうした若い人たちのがんばりや、成長、キラキラと光る部分をみて嬉しくなるのは自分がおじさんになった証拠でもあるのですが、子たちだけではない、彼らの成長がキャンプの運営や、それを見守る大人たちにとって、欠かせない部分になっています。

 

自由度の高いプログラムを!
春キャンプの名物、元気村まつり。これは子どもたちが予算の範囲内でやりたいお店を企画、出店し、売上げを競います。このプログラムの面白さは、1週間という長い準備期間と、安全面や、衛生面、実現性に無理がなければ何でもできるという自由度の高さです。

夏は川遊びがあるため、春ほど時間と体力の余裕がないのですが、なにかできないか?ということでこんなプログラムを考えました。

【夏の思い出まつり】
春の元気村まつりとは違って、班毎に競うのではなく、キャンプを最高に楽しむために、子どもたち全員でやりたいことを考えてやります。やりたいことを自分たちで考える訳ですから、楽しくないはずがない!?

【大きもだめし大会】
毎年夏キャンプできもだめしをやりたいといいだす子どもたち。直前になって怖くて参加したくないと言い出したり、あまりに子供だましな感じにすると全然怖くないと言い出したり。ならこの夏は本気になって取り組もう!怖い子は参加しなくてもいいけどね!ということで企画しました。

思い出まつりは、BBQをして、スイカ割りをして、射的に、フルーツポンチと贅の限り?を尽くしました。興味深かったのが、射的とフルーツポンチ。男の子たちが射的をやりたいといい、女の子はフルーツポンチ。射的というのでお店でも作ってやるのかな?と思ったら、自分でゴム鉄砲をつくって、となりの子の鉄砲をみてその出来具合に触発されて、さらに割り箸とゴムを継ぎ足して、鉄砲というよりライフルとった銃がたくさん。男の子たち、自分でつくった最高の銃の性能を試すために射的をする・・・といった具合です。射的というより、自分の世界に没頭するといった具合。

まあ学校や家であれだけの量の割り箸と輪ゴムを使ってゴム鉄砲をつくったら怒られそうですから。誰にも邪魔されずにさぞ楽しかったのではないかと思います。

DSC_0100

DSC_0163

DSC_0876

DSC_0915

DSC_0428

DSC_0407

 

ちなみにスイカ割り。僕らの子どもの時は、適当なことをいって、先生を叩かせよう!とかしたり、適当にはやしたてながらやっていたので、簡単には割れなかったのですが、今の子なのか、福島っこなのか全力で本当の情報をつたえるのですぐに割れてしまいます。ある子は、「俺、スイカ割りやりたくね。だって友達に嘘言いたくないもん。」ですって。ああやっぱり福島っこだなあ。
 

さて翻って女の子たち。どうやら春の元気村まつりのように、自分たちでつくって販売すると勘違いしていたようですが、まあそれにしてもきれいに、美味しそうなフルーツポンチをつくりました。ジュースとか、キャンプ期間中には出していませんし、さぞ美味しかったのではないでしょうか。

DSC_0347

DSC_0355-1

 

いつもキャンプで感じますが、男女の傾向ははっきりとします。この子たちの未来の姿が自分たちなのだと想像すると、なんとも自分等というものが本質的に変化していないと思わざるをえません。毎回苦笑いする思いです。
 

さて大きもだめし大会です。

これ、チームを2つに分けて、互いに競うようにしました。ルールはこうです。

・屋敷の中だけで行う。
・屋敷の中、五ヶ所に1文字書いたカードを置いておく。
・どこにおいてあるか地図をかいて相手のチームに渡す。
・カードは並べるとあるキーワードになるようにする。
・1チーム持ち時間20分。時間内にカードを見つけだし、キーワードを答える。
・相手より早くキーワードが答えられたチームの勝ち。
・誰が、何で脅かすか事前に相談して、必要なものは買出しOK。
 

結果からいえば、盛り上がりましたね。この大きもだめし!

きもだめし自体が楽しいのと、互いに本気で準備して脅かしあうこと。さらに相手のチームと競争であることもあって、みんな本気で脅かして、カードを探しました。

女の子の班が入っているチームが勝ったのですが、並べ替えてもキーワードがわかりづらいようにひらがなで書いたり、工夫していました。男の子のチームのキーワードは「ありがとう」でした。これ、三枚目のカードが見つかった時点で当てられてしまったのですが、100均で買ってきたものの中にくす球があって、なかに「おめでとう」とかいた垂れ幕がはいっているのですが、ご丁寧にそのよこに「これがヒントです」って書いてあって。

女の子は中学生が二人いて、何をするにしてもよく考えて取り組んでいました。男の子たちは中心が5年生。とにかく友達がたくさんいる状況で、何をしても楽しいという感じでした。

そうしたそれぞれの特色がでた楽しいきもだめしになりました!

*お詫び*
このきもだめしで子どもたちが用意した脅かす道具の中にどろっとしたスライムがありました。子どもたちはこの感触で驚かそうとしたのですが、私たちスタッフがきちんとチェックしていなかったために、結果、お貸しいただいたシーツを汚して廃棄することになってしまいました。また以前のキャンプでキャンプの旗で使用している油性絵の具で屋敷の床を汚し、気づかずにそのまま放置していました。善意でお借りしている施設でこのようなまねをしてしまい誠に申し訳ありませんでした。この場にて重ねてお詫び申し上げます。

 

震災の記憶のない福島っこ
今回、小1の子が参加したのですが、この子達は満7歳。震災の時には1歳にもなっていません。震災の記憶もないと思います。こうした年齢の子どもが私たちのキャンプに参加するようになりました。まだこのキャンプ自体がどういったものか理解していないと思いますが、あと数年して理解しはじめた時になにを思うでしょうか。

どのぐらいの年齢の子たちに記憶があるのかなと5年生の子にたずねてみたところ、みんな覚えていました。当時満5歳。年中のときのことです。ある子は、おばあちゃんの家にいて、凄い騒ぎになってお母さんが迎えに来たこと。またある子は、幼稚園にいて、帰れなくなって、お母さんが迎えに来たことを。どの子もその日の朝から晩までのことをずっと覚えているそうです。

定かではありませんが、私は小学校5年生に時に年中の時のある1日のことを覚えていることはなかったと思います。小さな子でも、その状況が普通ではないことを感じたのだと思います。これだけでどのぐらいあの日の福島が、東北が、普通ではない状況を向かえていたことが伝わってきます。

沖縄も、ヒロシマも、水俣も、津波のことも、憚ることなく語り継ごうとする人々がいますが、この日の福島のこと、中通りの津波被害を受けた地域ではない地域の体験や、教訓はどこかで語られているのでしょうか。福島のみなさんがあの日のことを覚えていて、あの日以前とあの日以後で変わったことがあると思います。私が聞いてきた話に比べ、テレビや、新聞で語られている話は当たり障りのないものだけのように感じています。

こうした体験はこのまま語り継がれることなく、何が起きていたかもわからず、教訓としていかされることもなく、うやむやに終わってしまうのでしょうか。福島のみなさんに起きたことのひとつひとつすべてが本当で、自分の体験や意見を述べて、自由闊達に議論し、理解を深めたりする雰囲気を私はまだ福島に感じません。

そしてもうその語るべき体験を持たない世代が生まれ、保養キャンプに参加しています。

 

東京と福島の子どもたちの交流
DSC_0368

このことはこれまでも何度か取り組んできました。東京っこと遊んでみたり、交流会を開いてみたり。ただ1日数時間一緒にいても、形としての交流ははかれても、その関係が続いてはきませんでした。

これは期せずしておきたことですが、子どもをつれてキャンプに参加しているスタッフの子どもたちと、福島っこたちの交流。彼らは一緒に遊んで、一緒に生活し、気づくとキャンプが終わってからも互いに連絡を取り合う関係になっていました。

帰りのバスを見送る際、「また会おうな」と。久しぶりにきいた一言でした。私自身も子どもの時に参加したキャンプで、遠方の子とこうした言葉を交わした記憶があります。とても懐かしい響きでした。

これまで企画してきた交流にも価値があり、それはそれのよさがありますが、一緒に生活することでうまれるこうした関係は、私たちのようなボランティアキャンプを続けてゆく意義のひとつだとも感じます。

人間形成において、豊かな人間関係はとっても大切なことだからです。

 

コンパクトなキャンプスタイルを!
今回の取り組みでもっともチャレンジングだったのがこれかもしれません。

実はキャンプ前、もし参加者の子どもが15~16人程度でも、定員一杯になるまで無理に募集するのはやめて、ひとりひとりの子どもたちとの関わりの深いキャンプをしようとスタッフで話していました。

これには経緯があります。2015年の夏のキャンプを15人の子どもたちと行ったのですが、子どもが少ない分、ひとりひとりと手厚くかかわれて、また人数が少ないことで労力も少なく、これはこれでとても思いで深いキャンプでした。

それと、春のキャンプの3ヶ月後にやってくる夏のキャンプ。体力的に少しでも楽にやれるなら、それはそれでいいなと。キャンプを始めて6年ですが、その時の気候や、プログラム、子どもたちの年齢や性格、私たちの体調によって、疲れの具合も大分違います。これからも続けてゆくには、よい意味での手抜きと、息抜きが大切です。
 

結局子どもたちは22人となり、いつもと同じような人数になりました。それならば準備の部分で手抜きをしても、みんなが楽しめるキャンプに挑戦しようとうことになりました。

具体的には・・・

・参加者の人数はいつもと一緒でも、スタッフの人数は少なくてもできるキャンプ。
・外出の日にはたくさんのスタッフで、屋敷にいる日は少ないスタッフで・・・ と、メリハリをつける。
・なるべくスタッフも子どもたちの生活の中にはいっていって、一緒に楽しめるキャンプ。
 子どもたちと一緒に食事をする、片付ける、お風呂に入る、寝るなど基本的なところで一緒に時間をすごす。

こうした取り組みです。結果、数字でいうと・・・

2016夏 スタッフは54名、述べで134人/日
2017夏 スタッフは38名、述べで96人/日

割合でいえば、昨年の夏より3割ほど少ない人日で運営することができました。
 

たくさんのスタッフに支えられていますし、多くの人に参加して頂きたいのですが、毎回○○人以上のスタッフいなければキャンプができないというのでは、続けてゆく上でハードルがあがります。

多くてもできるけど、少なくてもできる! ・・・といったほうが、今後の見通しが明るい。そのため最初にボランティアスタッフを募集してから、いつももうひとふた声をかけてスタッフを集めるのですが、今回はそこでやめにしました。

この人数で、このキャンプができたことで、今後の選択肢が増えたと感じています。

 

いつもの顔で出迎える事の大切さ
前でのことと少し相反するかもしれません。

この元気村のよいところは、子どもたちがバスに乗ってやってくるときに、「ねえ、今回は○○さん、くる?」とか、誰がきて、誰がこないの?とかあれこれと尋ねてきます。前のキャンプの楽しかった記憶があって、また会えるかな?ってことを楽しみにしているようです。

私も子どもの時に親戚のお兄さんがやってくる日はとても楽しみで、駅まで何度も何度も様子を見にいったりしました。また一緒に遊んでもらえる!とかそうしたことがとても待ち遠しかったです。

その点では、顔なじみの人がいつもいて、また会えること。そうしたことでキャンプ全体に生まれる雰囲気がとても重要です。なぜならそうした雰囲気のよさを保つことで、人が集まりやすくなり、そうした人たちがまた友達を連れてきてくださるという好循環がうまれるからです。

そしてよい人間関係のなかで子どもたちが時間を過ごせることが、大人になったときに振り返った幼少期の体験や、思い出としてとても重要なのではないでしょうか。

キャンプのコンセプトのひとつである「子どもたちに、君たちを大切に思ってくれる人が沢山いるのだということを伝えたい。」

これを伝えたいと思います。

新しく参加した子どもたちも、スタッフも。以前参加していた子供たちも、スタッフも、また元気村にきてくれることを願ってやみません。

DSC_0050DSC_0072

 

この夏の報告は以上です。

この夏の出会いが、次の春のキャンプにどうつながるかとても楽しみです。またきてくれることが励みになるし、そうした人たちが新しい人間関係をつくり、新たな取り組みを行うことで、キャンプはみずみずしく、柔軟で、生き生きとします。

同時にこれまでこのキャンプにかかわってくれた人たちが私たちのことを忘れずに形を変えつつ関わってくれていることをとても嬉しく思っています。誰もがずっと同じ状況でいることはできず、私たちキャンプのメンバーも、周りで支えてくださっている人々の環境も常に変化しているので、その時その時でできる範囲で一番よい方法で関係を続けてゆくことが大切です。

ただ、常に変化して、つながりを維持してゆくにはパワーが必要です。前に進む力、ちょっとした努力を続ける力、気づく力、想像する力、認める力。そうしたいろんな力。パワーです。

このパワーの源は、元気村の人たちの笑顔や、成長であり、私たちを理解して応援してくれる人たちの存在と、その応援に応えたいという気持ちです。特に前回の春キャンプ、5年という節目を終えて新たな年に入る私たちを忘れず応援してくれる人たち、新たな繋がりで応援してくれる人たち、この両方の人たちの存在を強く感じることができました。

この夏、さまざまな出会いと取り組みによって手に入れた新たな可能性と選択肢は、元を辿ればこれらの笑顔、成長、理解、応援といったところに行きつくのです。

最後にこのパワーの源をくださったみなさんへ感謝を述べ締めくくりとしたいと思います。

この夏もご支援、誠にありがとうございました。

福島っこ元気村キャンプ実行委員会
委員長 堀内拓馬

 

追記
この夏、こちらの助成金を株式会社ラッシュジャパンさんから頂くこととなりました。おかげで、毎回もっとも労力を必要とするバスの送迎代などをこちらの助成でまかなうことができました。この助成プログラムは、キャンプに寄付や物資を送っていただいている矢野あかねさんから教えていただいたものです。

矢野さん、株式会社ラッシュジャパンさん、この度の件、誠にありがとうございます。

FunD(ファンド)について
https://jn.lush.com/article/what-fund